隅田川花火大会

今週のお題「2011年,夏の思い出」

隅田川花火大会といえば,年に一度だけテレビ東京が本気になるという例のイベント。

大学1年生のときだった。
いまから考えればたいして好きでもなんでもないのに,一夏の恋的なものへの憧れと,駒場イチョウが散ってしまうまで伝説とで,「すきなひと」をでっち上げたかったのだろう。クラスでの花火鑑賞大会にその子が参加するというので,家庭教師のバイトをやってからわざわざえっちらおっちら両国駅に出かけたわけである。

正直駅についたときにはすでに帰りたい気分でいっぱいだった。
あれは大人数で行っても楽しくない。猥雑で乱雑な人生の無駄な時間。

贅沢な人間だと思われると思うが,花火をきちんといわゆる最前列的な場所で見ることが出来なければ家のテレビで冷房のなか見れば良いわけで,安っぽい酒と,結局独占も何も出来ない,着慣れない安物の浴衣に四苦八苦しているかはたまた着崩したいだけ崩した下品な女性たちのサポートとで肝心の花火は携帯のカメラでは点にも満たないサイズにしか映らないなんてウンザリした。

結局花火は音が聞こえるか,息遣いが聞こえるか,そういう状況じゃないと楽しめないのだ。